一瞬の不注意

私が自動車事故にあいそうになったのは子供が生まれた日です。

 

自宅から100qほど離れた場所に仕事で移動していましたが、産気づいた妻が病院に入院したのは昨日のこと、私にとって初めての子供がいつ生まれるのか仕事中も気もそぞろでした。

 

夕方、妻のお母さんから無事に子供が生まれたとの声を聴き、一気に集中して残りの仕事を片付け、早く子供の顔を見たい一心でついつい営業車のアクセルを踏み込みました。

 

田舎の一本道を休まずに運転したこともあり、眠気を感じた私はタバコを取り出して火を付けようと目を離した瞬間、タイヤがきしむ物凄い大きな音が鳴り響きました。

 

私が走行車線から対向車線にはみ出したため、対向車が驚いて急ブレーキをかけた音です。

 

音に驚いた私が前を向いたところ、対向車の運転手と助手席の人がどんどん近づいてきたので、一瞬これは間に合わないと思いましたが、対向車の急ブレーキが早かったためか、間一髪のタイミングで営業車を走行車線に戻すことが出来ました。

 

夕方で後続車も来ているので、お互いに車を止めることなかったのですが、車の中で相手の運転手に感謝と謝罪をつぶやきながら病院に急ぎました。

 

無事に病院に着き、子供の顔を見たとき、嬉しさよりも大事な日に妻と子供を父無し子にしてしまうところだったと思うと急に怖くなり、タバコを止めることを決心しました。

 

あれから10年が経過しました。

 

愛する妻と子供に囲まれ、あれっきりタバコは一回も吸っていません。

 

今でも、運転中に他の人がタバコを吸う姿を見るたびにこの経験を思い出します。